不動産業界におけるインターネット活用
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不動産業界もインターネットでの宣伝が主力になりつつあります。有効活用できれば、こんなに便利なものはありません。メールは切手代も不要で瞬時にで相手へ届きます。物件広告も素早く入れ替えできて新聞折込のような紙代・配布料・印刷代が不要です。新聞折込はその日でゴミになりますが、ネット上の広告は掲載期間は生き続けます。メールやウェブサイト等は有効活用して時代の変化に対応しましょう。
ただし、各社が同じような物件広告を同じようなサイトに掲載して同じように商売に結びつくかどうかは疑問です。インターネットは便利ですが、その利用方法・活用方法により効果は全然違ってきます。いくら車の性能が良くても運転できなければ意味はありません。
以下で車とネット広告活用を比較します。
自動車 |
インターネット |
◆早い車でも運転手がノロマなら遅い |
◆高いHP作っても、有効利用する技術は必要 |
◆スピード違反は罰則がある。 |
◆広告は、関係法規を破ると罰則もある |
◆ガソリン代や車検等の経費が必要 |
◆サーバー代や、メンテナンス等の費用もかかる |
◆事故を起こした時、車が原因とは限らない |
◆ネット広告で集客できない=サイトが悪いとは限らない。 |
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本当にウェブサイトで出会った顧客か? |
インターネット戦略で大切なのは、ウェブサイトで物件は売れてるのか? ウェブサイトで顧客獲得はできているのか?です。正確なデータを認識しないと、自己満足(自社満足?)に・・・。
ここにあるお客様がいたとします。自分の住むエリアで物件を探しています。新聞折込チラシを見ていたら、大手系不動産仲介会社のチラシで良さそうな物件が掲載を発見・・詳しい住所が知りたいと思いましたが、イキナリ電話するのも遠慮があります。チラシにHPのアドレスが掲載されていたので、HPの物件情報で確認する事に・・結果としてHPに掲載されている物件をメールで問い合せる形となり、
後日のアンケートには、「ネット広告を見た」欄に○印をしました。担当営業マンは顧客リストに「ネット経由」と書き、上司に報告して本社で集計されます。
本社のインターネット業務担当は各営業所からのデータを集計し、担当部長に報告し、会議の報告書にデータを入力・・・
実は、このような出会いの経路は多く、いきなりウェブサイトからきた訳ではないのが実情です。しかしデータ上は「ネット経由」となり、新聞折込チラシで出会っているという現実を把握できません。 それで上記の会社が新聞折込チラシを止めてしまったらどうなるのでしょうか?上記は、折込チラシとインターネット・メール、営業マンの連携で成約できるパターンであり、どれが欠けてもダメなのです。勘違いして「インターネットがきっかけで顧客開拓してウェブサイトに掲載した物件で決まった」と判断すると戦略ミスです。
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不動産仲介物件の情報サイトと自社のウェブサイト |
不動産物件情報サイトが数多くあります。最近では「物件数を数多く載せたほうが勝ち」と思う人達が不動産流通機構等の紹介可の物件を大量に掲載しています。2週間程度で掲載継続か否か?の催促メールがきますので、その段階で物件の成約確認をして、まだあれば継続手続きをします。売れてしまっても掲載したままでいると関係法規に抵触します。しかし自社サイトへの掲載は自分達が管理・運営しているので、けっこう成約済みの物件を掲載しているケースが多いです。クレームになれば免許停止等で広告活動を一切禁止、ウェブサイトも同様となりますのでマメなチェックが必要です。
色々な会社が試行錯誤でインターネットを有効活用しようと努力しているのですが、やはり競争の世界・・勢いで関係法規に抵触する会社やインターネット関係のトラブルも増えるでしょう。 |
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私の考えるインターネットの活用 |
メジャーな不動産情報サイトに物件掲載すると、それなりに問い合せがきますが、細かいルールがあり、即、訪問等はできないケースが多いです。(住所不明・電話番号不明・メールアドレスのみ・名前が不明も多い) で、メールで物件の詳細を説明して添付ファイルで資料を送る・・・その後は音信不通・・・これが典型的なダメパターン。多くの営業職が「ネット客はゴミ」と言っているのを耳にします。確かにネットの匿名顧客の成約レベルは低いのですが・・。
いかにインターネットやメール経由のバーチャル顧客を、普通の顧客にできるかが勝負なのです。インターネット経由の顧客は色々な情報サイトに物件の資料請求をします。「自分で選びたい。アドバイスはいらない」タイプで営業マンは煩わしいと考えています。上手な文章のメールを沢山送っても返事は皆無。・・このような物件情報をきっかけとしたネット戦略には難しさを感じます。物件が魅力的でなければメールもこないという事。魅力的な物件を随時、用意できますか?
専門性と安心感が鍵
インターネット戦略として不動産物件の掲載数で勝負するのは、もう時代遅れになると思います。大手系は物件掲載登録の専門アルバイトを雇用して膨大な数の物件を多数のサイトに登録しています。ネットの良いところは「会社の大きさは関係なく、情報を発信・受信できる事」なので、物量でなく質や専門性を武器に、自社サイトの充実やブログ・メール・掲示板等を駆使して、従来のチラシからの脱却を図るのです。 |
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おまけ |
インターネットは道具に過ぎません。しかし、インターネットは全ての世界で活用できます。時代の変化に乗り遅れない事が、この仕事を長くできるコツです。不得意でも勉強して活用しましょう。
※2005年に書いた記事です。 |
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